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年頭に思うこと
新年おめでとうございます。このコラムを書き出してから、早や5回目の新年のご挨拶となりました。
今年の初日の出は、此処何年ぶりというぐらいの素晴らしい日の出でした。
毎年、両親の住む群馬県の榛名で新年を迎えております。家の窓からは、高崎市街地方向に、関東平野の地平線が一望できます。
空が白んでくると徐々に地平線が赤くなり、突然一点が金色に輝くと同時に一瞬のうちに周囲が明るくなりました。
雲ひとつない空に真っ赤な太陽がすべて顔を出すと、赤く染まった家族の顔を見ながら、この新しい年の平和を祈りました。
昨年の下半期から経済の落ち込みがひどく、日比谷公園に派遣切りで寮を追い出された方達の年越しテント村まで出来ました。
こんな事は、過去には考えられないことでした。日々の糧を失い、住居を失うと、特にこの時期は、精神的にも肉体的にもとてもこたえます。
気持ちの落ち込みや寒さで歯を食いしばると、歯が浮いて痛くなりやすくなります。その上、歯を磨く時間と場所がない状態が続くと、歯周病が急速に進行します。
それでも痛くなければ、歯科に掛かるどころの状況ではありません。痛くなる前に歯科を受診しましょうなどという、悠長なことを言っている場合ではないのです。
食事も思うに任せない状況であれば、なお更のことです。時間が経てばたつほど、すべての状況が悪い方向に向かってしまいます。
そんな中、中央区では1月2日に幹部職員が区役所に招集され、日比谷公園のテント村撤去と同時に、次の落ち着き先が決まるまでの宿泊場所の確保を検討したそうです。
皆さんもこの事は、ニュースでよくご存知だと思いますが、中央区のこの迅速で柔軟な対応には各方面から賞賛の声が寄せられました。
たまたま夜、受け入れ先の京華スクエア前を通り掛ったところ、玄関受付に顔見知りの課長さんの姿を見つけました。
声をかけましたら、その日は当直だそうで、何時何方が見えても良いようにしているとのことでした。
中にいる皆さんは、テント村に居たときよりも、明るくなったと教えてくれました。
区の職員たちが自ら示したこのような行動に、彼らはどんなにか励まされたことでしょう。
皆さんが一日でも早く職を得て、元の暮らしに戻れますよう祈っています。
見事な初日の出で幕開けとなったこの一年は、きっと良い年になると思います。
みんなが力を合わせて暮らせば、心が和みきっと良い兆しが見えてくると信じます。
そんな願いをこめて今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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