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 コラム 第67回     2010. 1. 26

今年も歯ブラシのお話から!

 新年おめでとうございます。今年もいい天気で、素晴らしい初日の出を見ることができました。政治も経済も混沌としていると、人はマイナス指向になりがちです。こんなときこそ健康に気をつけて、元気にこの難局を乗り越えたいものです。

 健康の源は、美味しく食事をすることからだと思います。そのためには、お口の中の環境がしっかりと保たれていることが大切です。その第一歩は歯磨きです。きちんと歯磨きが出来ていれば、むし歯にも、歯槽膿漏にもなりにくくなります。どちらもお口の中にいる細菌によって引き起こされるものですから、その数を少なくしておくことが大切です。そうする事で、歯科の二大疾患であるこれらの病気にかかるリスクは軽減できます。

 更に、歯磨きをすることで回避できる病気があります。それは、誤嚥性肺炎と、細菌性心内膜炎です。
 誤嚥性肺炎とは、多くは高齢者が、嚥下力(飲み込む力)が衰えて、ものが食道へ行かずに気管に入って肺炎を起こす病気ですが、寝ている間にお口の中の細菌が呼吸とともに肺に入り込んで起こす肺炎もあります。
 細菌性心内膜炎とは、主にお口の中の細菌で起きた歯槽膿漏の原因菌が、腫れ上がった歯茎の中の血管に進入して心臓の内膜にたまり、細菌性の炎症を起こすものです。お口の中にいるうちは歯ブラシでコントロールできる細菌も、心内膜に行ったときは大量の抗生物質に頼るほかありません。

 どうか皆さんも、たかが歯ブラシと侮らずに、毎日継続してください。歯ブラシに血がついてくる方ほど、がんばってください。出血するとつい遠慮がちになってしまいますが、痛くない程度の力でそっと時間をかけて続けてください。約2週間で、出血しなくなります。
 義歯の方も食べかすが残らぬように義歯をよく洗い、歯茎や舌をブラッシングしてください。
 それと、いつも言うことですが、定期的な検診を受けることをお奨めします。
 美味しくご飯を戴いて、健康で笑顔を絶やさず、何事も前向きに毎日を送りましょう。

 

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