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「へ」の字口のお話
ようやく暑さも峠を越して、過ごしやすくなりました。やはり昔から言われているように、暑さ寒さも彼岸までなのですね。
昔からといえば、実りの秋、食欲の秋、天高く馬肥ゆる秋等と言われているように、いよいよ食べ物の美味しい季節になってきました。
美味しいものを美味しくいただく為には、やはり良い歯、良い入れ歯が必要になります。
虫歯の早期発見、早期治療については、以前に何度か書かせていただきました。私自身何度か虫歯を作ってしまい、父に叱られながら早期治療をしてもらいました。
おかげさまでこの年まで全部自分の歯で噛むことができています。永久歯は6歳くらいからはえ始め、12歳ぐらいで完成します。
私の歳で考えると、永久歯列が完成した12歳から数えてももう45年噛み続けています。
どんなものでも45年も使い続けるとどこかに思わぬ故障が出てきて当然でしょう。
昔から噛む力が強く、梅干の種でも簡単に砕いて、種の中身まで食べていたのが自慢でした。
それが、40歳を過ぎた頃から徐々に出来なくなり、年を重ねるごとにエナメル質や象牙質の結晶化が進み、
はえたばかりの歯のような弾力が無くなって脆くなっていますので、最近ではそんな事をやろうとも思いません。
それに加えて三度の食事や歯ぎしり、くい縛りなどを繰り返し何十年も経つと、歯の磨耗や沈下による噛み合わせの変化が少しずつ起きてきます。
口の中を見ただけでは、その変化にあまり気づきませんが、鏡や写真を見ると若い頃より、鼻翼から口角へ向かう顔のくぼみ鼻唇溝が深くなり、
口角が下がっているのが分かるかと思います。唇の形は「へ」の字になっています。
歯を噛み合わせ夢中になって何かをしているとき、これがもっと鮮明に現れ、若いときは横真一文字できりっとした顔に見えていたはずが、
難しい顔、怒っている顔に見られてしまいます。
人は誰でも普段安静にしているときに、奥歯はかみ合わさっていないものなのです。
ですから若い方は、安静のとき唇の中心の人中が口角より下に位置しており、いわゆるスマイル君の口元になっています。
それがだんだん口角が下がってくるとともに、唇の形は「へ」の字になっています。普通にしているつもりが、
「何を怒っているの?」といわれたことのある方は要注意です。
日頃から口角を持ち上げるようにし、努めて奥歯は食いしばらず、いつもスマイル君の顔を思い出しながら気をつけて過ごしましょう。
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9月の歌舞伎座 (2010/09/28)
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