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 コラム 第109回      2013. 07. 23

買えなくなった材料のお話

  暑い日が続きます。 皆さん熱中症対策は、万全でしょうか。 水分補給だけでなく、きちんと食事をして、エネルギーの補給をして下さい。 食事でとる水分量だけでも、かなりの量になる事はあまり認知されていないようですが、水をがぶ飲みするよりも体内からの保湿効果が高まるのだそうです。 また、冷たい水を飲んだり、冷やし中華など冷えたものを食べる事は、からだの中から体温を下げる効果もあります。 しっかり食事をして、猛暑を乗り切りましょう。

  本院は、今年の夏休みを7月の終りからの一週間とさせて頂きます。 そのために今月は、コラムの更新をいつもより一週間早くしました。 今年の夏休みには、家族でスイス旅行を計画しています。 診療でいつも使用している歯科材料が、日本では手に入らなくなってしまい、直接スイスで買って来ようと考えたのが、きっかけでした。 夢は膨らんで、せっかくならばスイスの大学を見学して来ようと、ベルン大学の先生と連日メールのやり取りを行いました。 パックのスイス旅行は、入国と出国が同じ空港でないとならず、会社のあるベルンへの訪問は旅の最後の設定となってしまいました。 すると8月1日は、スイスの建国記念日で休日で、8月2日の金曜日なら大丈夫だろうと思っていましたが、 今年はほとんどの会社も学校もその日も休んで4連休にするとのことでした。今何とかならないかと、必死で日程調整中です。

  そもそも、今まで簡単に手に入っていた歯科材料が買えなくなってしまったのはなぜでしょうか。 それは、薬事法が変って貴金属の歯科材料にまで及んでしまったからなのです。 業者が日本で販売する為には、一つ一つの製品に細かなチェックが課せられますので膨大な費用がかかるのだそうです。 業者は売れないものや使っている歯科医が少ないと、その材料には薬事審議会にかける費用が無駄だということになってしまいます。 本院では、父の代から歯科用精密アタッチメントと言って、義歯やブリッジの固定や安定を図るために使用している材料もその一つです。 世界中で用いられている良い材料が、日本では買えなくなってしまった事は、とても残念なことです。 大学の先生にこのことを聞きましたところ、日本で販売されていない材料を使用した場合、症例を学会発表しようとしても受理されないということでした。 世界では認められている良い材料が、法律と業者の都合で買えなくなり、学会でも認められないとはなんと悲しいことでしょう。 この材料について、ベルン大学の先生と世界での使用頻度などについて、ディスカッションをして来たいと思っています。


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