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 コラム 第207回  2021. 09. 29

歯ブラシの選び方

猛暑とともに新型コロナの感染拡大に翻弄された夏が過ぎ、過ごしやすい季節となりました。 子供が生まれて以来、季節のイベントを楽しむようにしています。 今年は中秋の名月が8年ぶりの満月ということで、秋風を感じながら夜空を見上げて季節の移ろいを感じました。

ところで皆様は、普段どのような歯ブラシをお使いでしょうか。 歯ブラシを選ぶ基準には毛の硬さ、毛先の形状(ラウンド毛、極細毛)、ヘッドの大きさ(毛が植毛されている部分)、 ヘッドの形状(平ら、山型)などがあると思いますが、お口の中の状態は個々で異なりますのでそれぞれの特徴を知ることで、ご自身にあった歯ブラシを選んでみてください。

1. 硬さ・毛先の形状
毛の硬さは「やわらかめ」、「ふつう」、「かため」に分けられています。 「やわらかめ」は細かい場所(歯と歯の間、歯と歯茎の境目)に毛先が届きますが歯垢除去効率は「ふつう」と比べると劣ります。 「かため」の除去効率は高いですが力が強いと歯茎を傷つけやすくなります。 このことから、歯茎が腫れて痛いなどということがなければ「ふつう」を選ぶのがいいでしょう。 毛先の形状による違いとしては歯垢の除去率は ラウンド毛 > 極細毛、狭い箇所への毛先の到達性は ラウンド毛 < 極細毛 となります。時間をかけて優しく磨きたい方には極細毛もお勧めです。

2. ヘッドの大きさ
日本で販売されている歯ブラシのヘッドは海外製品と比較すると小さいものが多いと思います。 小さなものは奥歯や内側を磨くには適していますが、歯垢除去効率では大きいものには劣ります。 時間をかけて磨くことができる方には小さなもの、時間をかけるのが苦手な方は大きなものを選ぶのがポイントかもしれません。

3. ヘッドの形状(平ら、山型)
通常は平らなものをお勧めしていますが、山型は横磨きしたときに歯と歯の間への毛先が届きやすいので、歯茎が痩せて隙間の汚れが気になる方に適していると考えられます。


歯を磨く時間は1回あたり3分以上かけるとよいと言われています。 3分と聞くと長く感じられるかもしれませんが、椅子に座ったり、テレビを見ながら磨くと長いと感じることなく磨けます。 私は大学病院の歯周病学教室に所属し多くの歯周病で悩んで来院される方の治療に携わってきました。 その中で、歯磨きを正しくできるようになった方は治療の効果も良好であると実感しました。 コラム第204回でも歯磨きの重要性について書きましたが、感染症予防に歯磨きは重要です。 歯磨きや歯ブラシ選びでお悩みの方がいらっしゃいましたらご相談ください。




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