子どものう蝕予防

 先日、乳幼児期における親との食器共有について日本口腔衛生学会が情報発信をし、インターネット等で話題となっています。
これまでう蝕は細菌感染が原因であることから、乳幼児期に親と食器の共有を避けることでう蝕を予防できると言われてきました。しかし、その科学的根拠は必ずしも強いものではないそうです。特に「食器の共有に気を付けていても、子どものう蝕に差はなかった」という点は、子を持つ親として私達も非常に興味深い内容でした。感染は日頃の親子のスキンシップで親の唾液に接触することでも起きるためです。

 しかしそれならば親子間のう蝕原因菌感染に気を付けなくていいかというと、そういう訳ではないと考えています。唾液を介して菌の感染は起こります。親子というのは生活習慣が似てきます。親が砂糖を多く摂取していれば子どもも同じような食習慣になりますし、親が歯磨きに無頓着であれば子どもも歯磨きに対する意識が低くなり兼ねません。
また同じように食器共有をしていたとしても、口腔内細菌数の多い親との共有と少ない親との共有では、そもそもの条件が異なってきます。
ですから子どものう蝕予防を考える上では、まずは親の食生活や歯磨きに対する意識向上が必要ではないでしょうか。
歯磨きの仕方もお口の中の状態によって異なりますので、気になることがありましたらご質問ください。