日常の歯磨き

 6月4日は虫歯予防デー、さらに6月4日〜10日は歯と口の健康週間とされています。そのため、毎年6月はテレビの情報番組や新聞・雑誌等で歯に関する話題が多く取り上げられる月でもあります。子どもたちが通う学校や保育園からの配布物にも虫歯予防について記載がありましたので、我が家でも家族で普段の歯磨きを見直すきっかけとしました。

ところで皆さんは、ご自宅でのお口のケアに用いる歯ブラシや歯磨剤をどの様に選んでいますか?
今やドラッグストアに行けば口腔ケア用品の陳列棚が広々1ブロックを締め、あらゆる商品が並べられている状態。1本買うにも、どれを買うべきか悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。たくさんの商品の中からご自分に合った物を選ぶのは、なかなかに大変なことです。

歯科医師として日頃診療にあたっていますと、限られた時間の中ではどうしても主訴(患者さんが最も気になっていること・求めていること)への対応が優先になり、ご自宅でのケアや口腔ケア用品についてのお話が後回しになってしまうことがあります。虫歯リスクの高い患者さんが歯周病ケア用の歯磨剤を使っていたり、あるいは逆のパターンであることが後からわかったりして、反省することもしばしばです。

そこで最近は、口腔ケアについてのお話にもしっかり時間を割くように気を付けています。時にはご自宅でお使いの歯ブラシを持参していただいて、普段の歯磨きの様子をもとに改善点をお話することもあります。
治療ではないため、この時間がもったいない、無駄な時間だと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし治療が必要になってしまった理由の一つとして不十分な歯磨きが考えられる事、また治療後に安定した口腔内を保つためにもご自身でのケアが大切である事をよくご理解いただきたいと思います。

お一人お一人に合った歯ブラシや歯磨剤・フロスや歯間ブラシ・洗口剤などをお伝えすると同時に、せっかく歯磨きに費やした時間が無駄にならないよう、適切なケアをお教えいたします。できるだけ患者さんの負担にならず無理なく毎日続けられる方法をお話しますので、一緒にきれいなお口を目指していきましょう。