歯科診療と血圧変動
8月も今週で終わり…とは言え、まだまだ体に堪えるような暑さが続いています。また突然訪れるゲリラ豪雨にも気を配らなければならず、何かと天気に振り回される毎日です。
幸い片山歯科医院は東京メトロ日比谷線・都営浅草線の東銀座駅から直結していますので、このような天候でも多少は楽にお通いいただけるのではないかと思います。また東銀座駅から続く地下道は、銀座〜有楽町〜東京駅、さらには大手町まで通じています。地下道であるが故に所々階段があるのは仕方ないですが、空模様を気にせず移動できるので非常に便利です。
ところで、皆さんはご自身の血圧が普段どの程度か把握しているでしょうか? 最高血圧(収縮期血圧)が140mmHg以上、または最低血圧(拡張期血圧)が90mmHg以上、あるいはその両方を満たした場合、高血圧と診断されます。高血圧の状態が長く続くと、脳出血や脳梗塞、大動脈瘤、心筋梗塞などといった心血管系の疾患の原因となってしまいます。しかし高血圧は自覚症状が出にくいため、把握していなくても実は血圧が高かった…ということも少なくありません。
その血圧ですが、一般的に暑い日の続く夏は冬よりも下がりやすいとされます。気温が高いと体内の熱を放散するために血管が拡張すること、また血管内の水分や塩分が汗で放出されることがその理由です。ところが猛暑の外から冷房の効いた室内に入ると、急に体が冷えて血管が収縮し一気に血圧が上がることがあります。
歯科治療を行うにあたり、高血圧の方には配慮が必要となります。血圧上昇の原因の一つに麻酔があります。歯科治療時によく使われる局所麻酔薬の中には、麻酔薬を停滞させて作用時間を長くするためにエピネフリンという薬が含まれています。しかしエピネフリンには血圧を上げる作用があるため、もともと高血圧の方に使用する場合には使用量を考慮しなければなりません。その他、外科処置を行った際には出血しやすく止血しにくいことがあるので、止血処置をしっかりと行う必要があります。
ですから高血圧症の方は、問診の段階で普段の血圧の値や治療についてお教えください。またご自身の血圧を把握されていない方には、ぜひ時々血圧測定をして普段の値を知っておいていただきたいと思います。暑い外から空調の効いた室内に入ると急な血圧変動が起こることがあります。ご来院時、何となく体調に異変を感じた時は、遠慮なくお伝えください。必要に応じて血圧測定をしたりひと休憩するなどして、できる限り合併症のリスクを避けて治療を行ってまいります。