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 コラム 第187回  2020. 01. 31

新年に思う

今年は、穏やかな天気の年明けとなりました。とても過ごしやすい半面、乾燥続きでインフルエンザが猛烈な勢いといってよいほどに流行っています。 今年初めの診察に行った三宿病院でも、インフルエンザの流行により全館面会禁止の張り紙がしてありました。 また最近になって、コロナウイルスによる新型肺炎が流行りだし、感染拡大が報じられる毎日が続いています。 うがい手洗いに加えて口腔ケアで感染を軽減できるということをお書きしましたが、さらに手洗い後の洗顔を加えてください。

さて、歯科治療には多くの材料が必要です。 失われた歯の部分を他の歯を土台として修復する治療法のひとつにブリッジ治療という方法があります。 欠損部位が多く土台とする歯の数が増えると、構造上いくつかの部位に分けて作製します。 特に前歯と臼歯にまたがった範囲の場合、犬歯と第一小臼歯との間に連結器を付けて固定します。 ですからこの連結器は、とても精密に作られたものでなくてはなりませんし、製作時にかかるおよそ1000℃の熱でも変形や変質をしないものでなければなりません。 これは精密アタッチメントというもので、その他にも何種類かのアタッチメントを本院では使用しています。 それらを作っているのは、ロレックスやオメガの時計等の部品を作っているスイスの会社のものを使用しています。 以前は日本でも歯科材料の輸入代理店から購入できたのですが、薬事法の改正以来需要と供給バランスの差から、 膨大な費用のかかる薬事審査を通してまで販売する業者がなく、購入できなくなってしまいました。

そこで、2013年に夏休みを利用してスイス旅行をした際、その会社に寄り直接購入してきました。 その時のコラム(第109回第110回)にも同じことを書きましたが、 またスイスに買いに行くわけにもいかず、今メールで問合わせ中です。 幸い昨年この会社の歯科部門のトップの方が、新製品の紹介を兼ねた講習会のために来日した際、会場でお話しすることができ名刺交換もしましたので、 何とかこのルートで直接購入できるようになればと願っているところです。

世界中で使われている優れた歯科材料が、日本の事情で簡単に購入できないというのは、残念でなりません。 しかし、何とかして良いものを患者さんに提供できるよう頑張りたいと思います。



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